レポート:フィールドスタッフ 柳沢テル
今年、アルファソニックカワハギシリーズに「166L」というモデルが新たに加わっているのをご存じですか? っていうか、せっかくのNEWモデルなのにブログでちゃんと紹介してなかった気がします・・・スミマセン。
今回の166Lの特徴は、なんといってもティップ部分のしなやかさ。ホームページの製品紹介文にあるとおり、まさしく「極軟調穂先」。サブネームは「アイ・センシティビティ」つまり「目感度」なのですが、もちろん手感度も抜群。僅かにカリカリッとするカワハギのアタリがしっかり手にも伝わってきます。
上の画像を見て分かる通り、166Lの穂先は他の2モデルと比較して段違いに軟らかくなっています。完全なゼロテンション専用モデルです。この軟らかさは、いわゆる目感度で高いレベルの性能を発揮するだけでなく、カワハギに違和感なくアサリを吸い込ませるという点でも有効に作用します。
せっかくですから、従来モデルも含めて、3つのモデルについてしっかり説明しましょう。
【170MH】
サブネーム「マルチコントロール」の名の通り、様々な状況で思った通りに仕掛けを操作していけるモデル。穂先を極端に軟らかくしていないので、オモリを底から離した状態、つまり宙の釣りでもロッドを動かした分だけ仕掛けを動かすといったことがやりやすい。また、オモリを底に着けて上げるといったカワハギ釣りの基本的な誘いをしやすい、いわばスタンダードモデルと言えます。1本の竿で、宙の釣りも含めた様々な状況に対応していくことを重視するなら、この170MHです。
【168M】
サブネームは「ボトムコンタクト」。つまり底を釣るためのモデルです。上の画像を見て分かる通り、170MHと比較すると穂先の先端はかなり軟らかくしています。この特性を利用して、オモリを底から離さずにわずかに仕掛けをたるませ、そしてオモリは底から離さないで再び仕掛け部分だけを張る、といった誘いに向いています。穂先から下の部分はかなり強くしているので、イメージ通りに仕掛けを動かし、かつ積極的に掛けていけるのです。穂先が軟らかいのでMHより軟らかい「M」アクション表記にしていますが、穂先から下はHクラスの強さがあります。30号オモリを下げた画像で、それが分かると思います。
【166L】
166Lについては既に冒頭部で説明していますが、168Mは少しオモリを浮かす「チョイ宙」にも対応できますが、166Lは完全に「ゼロテンション専用」と言えます。30号オモリを下げた画像のように、穂先が完全に曲がった状態では166Lのメリットが活かせなくなってきます。10号オモリでの曲がり程度まででゼロテンションを保つようにすると、このモデルのメリットを最大限に活かせます。また、多少個人的好みも入りますが、カワハギにアサリを吸わせるということに長けているので、いわゆる「セイゴ系」の針との相性が良いです。
さて、問題はこの3モデルはそれぞれどんな場所・状況に向いているのか、です。最近ではゼロテンション釣法に注目する人が多いので、166Lと168Mを中心に考えてみましょう(関東以外の皆さんには少し申し訳ないのですが、相模湾・東京湾でのメジャーポイントの名前も出して説明します)。
166Lが向いているのは、竹岡沖のように基本的には根掛かりが少ないフラットな場所。竹岡では、いわゆる「ツブ根」などと言われる小さな根が砂地に点在しているのですが、「根」というより小さな岩もしくは石程度のものがあるとき、166Lのような極軟調穂先のモデルは小さな岩や石にオモリを引っ掛けた状態で誘うことに長けています。もちろん170MHでもできないことはありませんが、かなり繊細なロッド操作をしないとオモリが石を飛び越えて仕掛けがその場所(つまりカワハギが釣れるスポット)から外れてしまいます。竹岡沖では166Lのようなモデルを使い、ツブ根周りでしつこく粘っこく誘っていくことが釣果に直結します。相模湾でも、根がさほどきつくないポイントでゼロテンションが効果的な場合は166Lが威力を発揮する場面が多々あります。
いっぽう、剣崎沖のような根が険しい場所をゼロテンションで攻略したい場合は、168Mのほうがやりやすいと言えます。166Lのように極端に穂先が軟らかいモデルだと、慣れないと根掛かりしやすくなるからです。また、168Mは穂先の下が硬いので、軽く竿をあおって根を飛び越えさせるといったことがやりやすい(特に、ちょっとキャストしていくような場合)。剣崎は、竹岡と違って、根ばっかりの場所です。なので、一つの根でアタリがなければ次の根を狙っていく必要があり、そんな場所で根を飛び越えさせていくのは、あまり軟らかすぎるモデルはちょっと不向き。さらに、真冬の城ヶ島のように水深50mを超えるような深場で、ゼロテンを保ちつつ仕掛けをしっかり動かし、そしてしっかり掛けていきたいときなども、168Mのほうがやりやすい。
では、170MHは? アルファソニックカワハギの170MH、168Mの開発に携わっていただいたカワハギエキスパートの堀江さんという方がいるのですが、堀江さんは自分が思ったとおりに仕掛けを動かしやすい170MHのほうが好みだと言い切ります。例えば3センチ仕掛けを上げたいといった繊細な操作をする時に、穂先が必要以上に軟らかいと、その軟らかさが邪魔になるようです。堀江さんの場合は、宙だけでなくゼロテンションでのボトム攻略も170MH。やはり、170MHは「王道スタンダード」なのです。自分の場合はチョイ宙がメインになるときは170MH。特に、カワハギの活性が高く、ボトム~ボトムから30センチ程度上までのレンジを「ボヨンボヨン」と仕掛けを上下させて誘う(あまり止めない)ときに170MHを多用し、168Mや166Lは上に書いたようなポイントや状況と使い分けます。
実は、11月に韓国からお客さんがやってきてカワハギ釣りのアテンドをしたのです。せっかくなので、その時の写真を少々載せておきましょう。
と、最後はちょっとロッドの話しから脱線しちゃいましたが・・・アルファソニックカワハギの解説でした! ロッド選びの参考にしていただけると幸いです。
カワハギはまだまだ好シーズン、というか「肝」が美味しく(大きく)なってくる季節。美味しい肝あえを食べるために出かけてみてください!
モニターの川野さんから、東京湾カワハギのレポートをいただきました。
色々な釣りをする川野さんですが、やはりカワハギやマルイカのようなテクニカルな釣りが好きな川野さん。さて、今年の東京湾はいかに?
(以下、川野さんレポートです)
今年は何年ぶりかに様々なカワハギ大会が開催されることもあって、週末どころか平日でもカワハギフリークさんで人気の船宿は大賑わいのようで天気のイイ週末は早々に満船!
この日はそんな賑わいから離れた、春はカサゴ・夏はシロギスでお世話になってるアットホームな金沢八景『新健丸』さんにお邪魔してきました。こちらでは、秋冬はカワハギに出船しているのです。
親方船のイシモチは大人気ですが若船長のカワハギは余裕たっぷりw
アサリを剝いていけなかったので、船宿さん支給の冷凍加工品で良しとしました。竹岡沖に向けて、笑顔の女将さんに見送られ定刻に出船。
この日は北東の風が強め、曇り空で波しぶきがヒンヤリ感じる陽気、潮色も暗めで厳しい展開が予想されそうな気配の中、約40分でポイントに到着。
丁寧なマイクアナウンスの若船長から直近の傾向を教えてもらい、サバフグの猛攻が多いのと、まだ水温高めで群れが固まってないのでマメにポイント移動しますから〜とでスタート。
案の定、おやっと思うサワリはサバフグらしく、掛けたらドルドル的な引きで〜軽くなった仕掛けを回収すると針が3本とも無くなってるのルーティン…
なかなか本命らしいアタリがない中でチョイとキャストして底の雰囲気を感じながら手前まで寄せて、チョイと宙でユラユラした時に『カチっ』っと金属的な食みにアルファソニック・カワハギ168Mの穂先が入りまして!!
これを逃さずフッキングすることが出来て、なかなかのツッコミをいなしながら上がってきたのは真っ白に興奮したオスの尺!!
このあとも若船長のマメなポイント移動でポツポツとこの誘いで拾うことができて潮下だったけど20cm後半の良型を含む13枚で終了。
まだまだコッパサイズでツルテンまではなかったこの日、今後の群れの固まりに期待しながら贅沢な肝和えで晩酌を楽しみました。
日に日に寒さがましてきましたから、いよいよ本格的なキモパンのシーズン到来が待ち遠しいですね。
タックル
ロッド:アルファソニック カワハギ 168M 170MH
リール:テイルウォーク バサルVT73
仕掛け:自作3本針
オモリ:25号