レポート:フィールドモニター 川添法臣

こんにちは、フィールドモニターの川添法臣(かわぞえ のりおみ)です。今年の夏は暑かったですね。9月に入ってもまだまだ日中は30℃超えの夏日が続いていますが、海の中は秋の気配が漂い始めました。この時期に楽しみになるのが「ひとつテンヤマダイ」。満を持して、おニューのロッドを手に大原・富士丸さんから出船しました。

今回持ち込んだのは2023年のカタログで初お目見えの「kaijin テンヤマダイ 240L」と、旧モデル(青いブランク)の「海人テンヤマダイ230MH」。
これまで使って来た「230MH」はシリーズ中、最もポピュラーで“最初の1本”にお薦めなパワーと調子を持ったオールラウンダーな竿。なんですが、個人的にはもう少し長さがあって食い込みのイイ穂先を持つ竿も欲しかった。テンヤマダイブームの頃にはそうしたモデルを出しているメーカーさんもあったのですが、今は底ダチが取り易く、深場も攻め易い8号以上の重いテンヤ(カブラ)を薦める船宿さんが多く、ハリ掛かりも良いことからMH〜Hクラスの“硬めの竿”が主流となっています。そこに登場した「kaijin テンヤマダイ 240L」は「これよ!」と声を上げたくなる絶妙な仕上がり。凪模様の浅場が主戦場となる秋口を待って、待望の竿おろしです!

──で、この日の釣り。「240L」には遊動式のカブラ(20g)、「230MH」にはいつもの5号のカブラを結んで沖に出ました。一流し目は船下に遊動式カブラを落としてとりあえず船中一枚目の“鯛飯サイズ”。しなやかで食い込みの良い竿先を持つ「240L」は、餌を口にした魚に違和感を与えないためアタリが長く続き、魚の重みを感じながらの聞きアワセで難なく掛けられます。竿の長さを活かしたストロークの長いアワセ(スウィープフッキング)をすることで上顎の硬い部分でも太軸バリを貫通させることが出来るので、この竿をご使用になる際には参考になさってください。

次に、根掛かりも少ないので軽くキャストして、水深分の糸が出たところでリールのベイルを戻して船下で着底させる“カーブフォール”を試したところ、これがビンゴ。着底と同時か、着底直後に1.5mほど仕掛けをホップさせるとアタリが出るパターンでリズムを作り、数枚を獲りました。
続いて船長が「根掛かり気を付けて」と言うエリアに入ったので「230MH」に持ち替えて5号カブラの釣り。着底してそのままにしていると根に取られてしまうので、着底後、一呼吸置いて1mほどリフトします。アタリは着底後に与えている“間”に出るのですが「コン!」とアタるだけで合わせてもハリ掛かりには至りません。そこで底を切った後、竿先を叩いて(シェイクして)カブラを揺すった後、タタキを静止すると「コココッ!」というアタリが出て、瞬時に合わせればハリ掛かりする、という流れで3枚を追加しました。
この“カブラを叩く”という誘い、魚の活性が低い時には群れを散らすので注意が必要ですが「230MH」でこそ出来る魚へのアプローチなので、魚にヤル気がありそうな局面に出逢ったら是非お試しください。

そんなこんなで6時53分にはツ抜け達成。この後、潮が緩んでアタリが遠退くのですが、初登板の「kaijin テンヤマダイ 240L」に色々結んで使用感を確認しました。
まず感じるのは「キャストの気持ち良さ」。リーダの結び目の抜けが良い絶妙なガイドサイズも相まって、3号から5号なら緩やかなアンダーハンドで軽く20mは投げられます。取り込みの際もリーダーの巻き込みがスムーズなので、バラシの多い船縁でのトラブルは皆無でした。

またカブラのフォール中、PEラインは糸が張った状態でないと魚信が取れないのですが、繊細な竿先は糸にテンションが掛かった状態でも魚に違和感を与えずアタリだけを可視化するのでカーブフォールは勿論、船下への落とし込みでもフォール中の「ざらり」としたアタリを明確に取ることが出来ます。
さらにこの食い込みの良いティップは、常磐エリアで多用される“遊動式テンヤ(カブラ)”には持って来いの調子で、オモリが着底している状態でエサを違和感なく食わせると共に、押さえ込むような小さく微かなアタリを大きく可視化することに貢献します。また3号を中心とする軽量なテンヤでも着底がしっかり取れ、竿先を上げた姿勢でフォールさせれば、舟が流れている中でも確実に着底の糸フケを目視することが出来ます。
加えて、黒いブランクスになった「22海人」の“軽さ”と“手感度”は特筆。旧モデルの「230MH」と比べ「240L」は10cm長くなったのに12gも軽い。そこまで削ぎ落としたのにカタログスペック競争に走らず、軽量化と逆行する少し口径の大きいガイドに付け替えて使用感を向上させ、にも関わらずカウンターバランスも乗せずに穂先の持ち重りを感じさせない。この価格帯でこの仕上がりは“革新”と呼んで過言で無い進化ではないでしょうか。

かくして鯛飯サイズたちのアタリが遠退いた7:10。3号テンヤの使用感を試している際、着底したテンヤから伝わる何とも言えない反応。そ〜っと竿先を聴き上げて見ると、明らかに生命感のある蠢きが竿先を震わせ、そこそこの重みが手元に感じられました。これは魚信であると確信して巻きアワセを入れると、やや首を振るような反応の後にずっしりとした手応えで海底から動かない。胴まで一杯に竿をしならせながら、ぐぅーっとリフトしてくると時折「イヤイヤ」をするような反応があるモノの走りも暴れもせず、旋回しながら水面に姿を見せたのは中判のヒラメ。65cm/2.75kgのこの魚、柳のような「kaijin テンヤマダイ 240L」の調子にケンカもせず、恐らく釣られたことにも気付かずタモに収まったご様子。しなやかでありながら、この細身の竿に太軸鈎で顎骨を打ち抜くだけのパワーが秘められている事実にも驚かされました。

この先がまたアタリの遠退く時間が長く、ドテラ流しの刈込み側の流しはキャスト&カーブフォール、払い出しの流しは軽いテンヤで真下に落として、着底後にリフト、糸を出してフォールの釣り。こうした釣り方の交代も、タックルが2セットあると非常に便利で、大原では避けられない根掛かりによるテンヤのロストやマメなリーダー交換も、道具が2セットあれば瞬時に持ち替えることが出来ます。強風の日や激流の中では真価を発揮できないであろう「kaijin テンヤマダイ 240L」の他に、MHクラスのオールマイティなタックルがもう1つあると安心かつ効率よく釣りを楽しめると思います。今回は旧モデルの230MHを使いましたが、俄然、私の心中では「kaijin テンヤマダイ 240MH」「240H」への興味も急上昇! 機会があれば手に入れて、レポートさせて頂きます。

そんなこんなで沖上がりも近い10:30。鯛飯サイズと目の下1尺にちょっと足りないくらいのサイズも何枚か獲れて、ヒラメもあるから「お土産には充分かな」どと思っていたところ、着底している遊動カブラに「ざらり」という微かな魚信。明確なアタリは無いものの、重みを乗せた長めのストロークでアワセると、いつもより強気の1.5kgまで締め込んだドラグを引き出す元気な走り。竿を気持ちよく曲げてゴンゴンゴンと首を振るファイトに船長も「タイだな」とタモを持って観に来てくれました。痛快な走りも柳腰でタメ、やがてスイスイと浮かせて海面を割ったのは55cm/2.3kg、イワシを食って丸々としたコンディションの良いマダイでした。

かくして、この日の釣果はマダイが2.3kgを頭に15枚と、2.75kgのヒラメ1枚。

船中全員がツ抜け達成という好日でした。マダイの最盛期は春の乗っ込みと思われがちですが、産卵期のマダイは神経質で気難しく、大きな個体が釣り易い季節は秋だと思います。かく言う私の人生最大のマダイ(10.2kg)を釣ったのはテンヤマダイブームが大原を席巻していた9月の太東沖でした。是非、流行りの頃より数段進化した現代の専用竿を手に、ワールドレコード級のマダイを求めて、豊穣の海へお出掛けください!

2010年9月、太東沖で出た10.2kg。秋こそテンヤマダイの季節!

▼タックルデータ
リール:スピニングリール 3000番台
道糸:PE0.8号
リーダー:フロロカーボン2.5号4.5m
テンヤ・カブラ:3〜5号
付けエサ:冷凍エビ
▼船宿:富士丸 (千葉県いすみ市 大原港)
レポート:アルファタックルスタッフ・丸橋
スタッフTが言い出しっぺとなって、外房・飯岡の夏ビラメに行ってきました!
今回は総勢5名ですが、実はヒラメ未経験者がほとんどなので少々不安・・・しかし「あまりやったことがなくても梅花丸さんだったら大丈夫」と聞き「なんとかなるだろ~」てなノリで。








【梅花丸(ばいかまる)】
千葉県旭市・飯岡港 HPは上の梅花丸の文字をクリック!

【使用タックル】
ロッド:
①MPG シブキF190
人気のMPGライトゲームロッド・シブキは0アクションでも横流し80号まで対応できる。曲がっていくときの気持ち良さはMPG100%ならでは。気持ちく良く曲がるがバットパワーがあり、かなりの大物でも安心してやり取りできる。ヒラメに限らずライトタックルにイチオシで、外房のコマセハナダイ五目にも良いが、コマセマダイ80号錘でも無理なくこなす汎用性の高さがある。
②Kaijinライトヒラメ215/FSL
カーボンフルソリッドを長尺で使っているバットジョイントモデル。カーボンフルソリッドならではの粘りと、軽快さと感度、喰い込みの良さも持っている。一味違うライトヒラメロッドをお探しの方にお薦め。同シリーズでラインナップしている2.4mモデルの「240/FSL」は波が高いときに対応しやすく、置き竿派の人にも良い。
③ミッドアームGS 73-190M
GS=グラスソリッドブランクのバットジョイントモデル。持ち重りしやすいグラスソリッドだが、190というショートレングスであることもあって軽快な操作感で扱える。錘負荷30~80号の190MLもあるが、ヒラメでの横流し時の負荷を想定した場合は40~100号の「190M」がお薦め。定価19000円という買いやすさも大きな魅力。
リール:
①サイバード船PG200PH
PE3号200mキャパシティの中型ベイトリール。MAXドラグ7kg、力を入れやすい丸型アルミノブ装備で、船タコにも適している。定価14,500円という価格帯を超えるスペックとデザイン。
②ディーノ船150PH
ライトヒラメをさらに軽快に楽しめる小型ベイトリールだが、PH=パワーハンドルモデルは力強い巻き取りができる。定価8,000円と買いやすい価格帯だが、必要十分以上の性能を持つ。
③テイルウォーク エランワイドパワープラス
テイルウォークブランドの中型ベイトリール。上の写真で、言い出しっぺ・スタッフTが使ったもの。MAX12kgという非常に強いドラグ力を持ち、ベアリング数も10+1とハイスペック。
【最後に・・・ヒラメのお薦めレシピ】

捌いたヒラメの身に小麦粉・溶き卵・香草パン粉の順で付けてバターで焼くだけ。お好みでハーブを入れても良い。粉チーズを入れると美味しいよ!
レポート:フィールドモニター 川添法臣

こんにちは、フィールドモニターの川添法臣(かわぞえ のりおみ)です。みなさんは今年のイサキ、もう召しあがりましたか? 唐突にこんなこと尋ねるのは、2023年のイサキが「例年より美味しい」とウワサだから。しかも、40cm超えのジャンボサイズを頭に押し並べて型がイイのも特筆。みなさんの釣行に+αのリークとなるよう、現地の模様をレポートします。千葉県・大原港「長福丸」から出船しました。

今回持ち込んだのは「アルファソニック LG73 190M」。このところこの竿のレポートばかり書いてますが、そのくらい万能な、様々な釣りにフィットするバランスの良い一振りです。剣崎や内房など、鋭いシャクリで仕掛けを踊らせないと魚が口を使わないタイミングがあるエリアでは「アルファソニック LG 82 185MH」の調子に頼りたくなる時もありますが、サーチする指示ダナの幅が3m前後と狭く、ジャンボサイズや思わぬ大物ゲストフィッシュも釣れる大原エリアでは「LG73」をチョイスしています。

──で、この日の釣り。竿入れから30cmクラスの良型が一荷、トリプルで釣れる絶好釣でしたが、やがて食いが落ち着き、アタリの遠退く時間も。この日は情報ページの取材だったので、ここでカメラを置いて釣り竿に持ち替えます。良型の3点掛けも見受けられたので、ハリス1.75号からスタート。指示ダナをシャクっていると時折アタリはあるのですがハリ掛かりしません。周りを見回すと、前日の強風の影響か大きなうねりと、食い渋りにみなさんお疲れの様子で置き竿になっている方も。ところが大ドモの釣れる人は釣れている。こんな時、みなさんはどうしていますか?

「釣れてる人は釣り座がイイのでは?」「釣れないのはコマセの撒きが足りないのでは?」「指示ダナが真棚とズレているのでは…?」──釣師はとかく“釣れない理由”を探しがちですが、私は操舵室に行ってハリス1.5号の船宿仕掛けを購入し、コマセカゴの上の窓を1/4より更に少し閉じてみました。こうすることによって、大オモテの釣り座でうねりに翻弄されながらも3m幅の指示ダナ内のサーチを3周してもプラビシにコマセが若干残り、海中に仕掛けがある状況、シャクリと喰わせの間の時間を少しでも稼ぐことに集中しました。すると──これがビンゴ。30cmクラスのイサキを頭に、メジナやゴマサバ混じりでテンポ良く釣れるようになりました。
お分かり頂けるかと思うのですが、「釣り座」「潮上・潮下」「コマセの撒き量」は釣果に影響していなかった、という事実です。大切なのは「コマセを多く撒く」ことではなくて「撒き方をコントロールする」ことではないでしょうか。コマセは魚を呼び寄せるために撒く“寄せエサ”では無く、効率よく釣鉤に口を使わせるための“起動条件(トリガー)”であることを、再確認する機会となりました。

かくして、ウワサの味覚はと言うとご覧の通り。しっとりと全身に回った脂質で大変美味! 刺身、炙り刺し、なめろう、塩焼きは勿論、カルパッチョやアクアパッツア、新タマネギとホイル焼きにしても美味しく楽しみました。天ぷらやフライにしても旨いとのことなので、目下、再チャレンジの日程を調整中です。みなさんも是非、当たり年の予感漂う大原沖のイサキをお試しください!

▼タックルデータ
竿:アルファタックル/アルファソニックLG 73 190M
リール:中型両軸リール
道糸:PE2号
コマセビシカゴ:FL60号
テンビン:腕長30cm
クッション:直径1.5mm×長さ30cm
船宿仕掛け:ハリス1.5号/ムツ9号3本針/全長3.5m
付けエサ:なし

▼船宿:千葉県いすみ市 大原港 長福丸
レポート:フィールドモニター 岡崎 敬久
約1年ぶりの千葉県勝浦市にある川津港から、タイラバ専門船のとみ丸さんに行ってきました。
新造船でとても大きく綺麗で、さらには片舷流しという贅沢なスタイルは気持ちよく釣りができますw
ポイントは港から近く、早ければ10分、長くても30分前後でポイントに到着します。少しイワシが居ることを期待しましたが、残念ながら不在でした。
最近のポイントは水深が80~130mで深場メインのようです。午前中まで吹いていた風も落ちて、ほぼ無風となり潮は少しだけ流れますが0.8ノットと緩めです。ノッコミが近くなり、良型が連日釣れている状況で期待しましたが、この日は渋めであまりアタリがありません。
最初にゴン!とやっと当たったと思った魚は予想通りのウッカリカサゴ…他でも当たっているようですが、やはりガシラなどです。
それでも少し魚の活性は上がって来ているようで、日が少し傾き始めると後方で掛けたようでやり取りが始まりました。ロッドの叩きを見る限りは真鯛と思われます。しばらくして上がってきたのは1.5㎏程のナイス中鯛でした。
深場の真鯛は割と固まっているので連発を期待して仕掛けを落とし込みます。良い感じに払い出しとなり、巻いて落としてを何回か繰り返して、着底が少しぼやけて来たのでそろそろ一旦回収しようかと考えてデッドスローで巻いてくると、トップにツ、ツ、ツ、とスカートを突っつくアタリ…恐らく鯛です!我慢して巻き続けると更にアタリは続き、大船長の「あげて下さい!」の回収の合図とほぼ同時に少し送り込んでゆっくり合わせると乗りました!1.5kg設定のドラグを少し鳴らしながらロッドを叩きます!久しぶりの真鯛⁉の引きです(笑)
さほど大きな真鯛ではありませんが、中鯛はありそうです。水深が120m前後ですが、潮が効いてラインは約180mは出てしまっているので慎重に無理せず巻き上げます。鯛が引くときは手を止めて、また鯛がこちらを向いたときに寄せてきます。大船長が船を寄せてくれたのでラインテンションが抜けないように巻きスピードを調整しながら、ようやく空気を出して浮いた魚は2㎏のナイス真鯛でした。ネットから出そうとするとハリはポロっと外れ、見るとかなり伸ばされていました。強引なやり取りをしていたら恐らくバラシていたと思われます(-_-;)

その後、夕マズメの追撃を期待しますが、小型の真鯛や根魚のアタリはあるものの掛けられず…無念のタイムアップとなりました。
真鯛は南からノッコミが始まって少しずつ浅場に来ますので、これからの真鯛は期待大です。春の大鯛爆釣を期待しましょうww
ロッド:テイルウォーク Tai Game SSD C69M/FSL
リール:両軸200HG、スピニング3000番
ライン:PE 0.8号+ナイロン4号
鯛ラバ:160〜200g グリーン、レッド
ジグ :40~100g ホワイト系、ケイムラ他
ネクタイ&スカートカラー:オレンジ、ブラック、レッド