レポート:フィールドモニター 岡崎敬久
またまた懲りずに鹿島の大鯛狙いに行ってきました。新製品の瀬戸内テンヤゲームのS230H&S240H+を携えて、何とか1枚、大物を獲るために、今回は苦手な午前船から、午後船まで1日通しで茨城県鹿島港の義心丸さんから出船です。

最近の状況は、浅場の12~19mくらいの砂地をパラシュートを入れずに横流しするスタイルですが、当日の情報では前々日までの南風やウネリの影響で水温が下がり、真鯛の反応が消失してしまったようで…結局、ポイントは北に約1時間前後走り、少し沖めの29~31mラインからでした。潮が緩く、ほぼ無風ベタ凪の状況でしたのでただプカプカと浮いて流れている感じになってしまいました。開始早々からポツポツと魚のアタリがありますが、ハナダイやショウサイフグ、トラフグ、ホウボウなどが多く、真鯛はあがりません。少ししてようやく小型の真鯛が上がりますが、それも続かず大物らしき掛かりがありますが、全部イナダ~ワラサクラスの青物ばかり…
すると急に船内が騒がしくなり、右舷で青物とは違った引きの大物が掛かったようで…暫くお客さんがやり取りしてあがったのは7kg超の特鯛でした。その後も青物交じりに今度は右舷前方のお客さんに大物がヒットし、こちらも5㎏の大鯛でした。青物が非常に多い状況ですが、条件が良くないもののチャンスはありそうです。
ただ大物のヒットパターンは底にステイ…最も私の苦手な釣法です(笑)暫く試しては見ますが、鯛とは違うアタリばかりで、我慢できません。
瀬戸内テンヤゲームのS230HもS240H+も細身の上、全体に良い感じにハリがあって非常に軽いので、なるべく底に少しでも安定させるように8~10号のテンヤを使用しましたが、潮が非常に重い中でも楽にテンヤを動かせて疲れることも無く、確実に微細なアタリまで取って掛けられました。ベタ底ではハナダイやショウサイフグばかりでしたので、少し底上3~4mまでリアクションを入れて誘うスタイルに戻します。するとリフトが終わって0テンション状態でフォール中にトップが入りました。鯛っぽい明確な食いつきです。掛けると元気に叩きながら、僅かにデュライズS3000XGXのドラグを出します。しかし狙っているサイズよりだいぶ軽いです…ロッドはきれいに真鯛特有の突っ込みをいなしながら、余裕のロッドパワーで魚を浮かせてきます。浮いてきたのは状態の良い1.6㎏の中鯛でした。そしてこのパターンをS240H+に持ち替えて試すと、連発できました!ですが今度も小さく…良い感じに元気に引いて楽しませてくれますが、1.4㎏の良型真鯛でした。どうにも大鯛が来てくれません…その後も外道や小鯛は釣れますがチャンスは無く、前半の午前船は終了となり港に戻りました。
続いて後半戦の午後船ですが、朝とまったく同じポイントですが、南風が強めに吹いてきて、潮流も朝は0.3ノットしかなかったのが、1.8ノットと激変してしまいパラシュートアンカーが投入されました。海面も軽く波立っていて鯛狙いには少し状況が良くなったように感じます。船長のアナウンスと共に活きエビを付けてキャストしますが、まだパラシュートアンカーが利いていない為、テンヤが斜めに流れて戻ってきてしまいます。下は砂地でしたので、底付近を斜め引きして寄せていると一瞬カツンという小気味良い硬い口で啄んだようなアタリ?のようなものを感じました。魚と信じて、少しライン送りテンヤを戻すと追撃のアタリ!!と分かるS240H+のトップが振れます。状況的にラインが斜めになり、掛けにくい態勢でしたが、S240H+の長さとハリの強さを使って横に大きく合わせると掛かりました…が重量感は無く、魚の感触はありますがすぐに船まで寄ってきます。ラインが弛まないように船下まで巻き続けると重みが急に増し、魚も針に掛かっていると気付いたのか、急に下に向かって突っ込み始め、ドラグ音が鳴り響きます。振り幅が大きくしっかり叩くので…真鯛と確信しましたが、最初の感覚からだと重量的には2㎏くらいかなと思いましたが、元気でストロークは短いですが、強く叩き続けてなかなか上がってこないので慎重にロッドパワーを信じてやり取りしていると…白く大きな影が見えて、あがってきたのは68㎝とやや短いながらも尾筒のとても太い4㎏を超える大鯛でしたwwなんとかミッション完了です(笑)

その後も良い状況が続くかと思いましたが、潮が速くなりすぎたのか、風も強さを増してしまい、何かが噛み合わないのか船中では外道や小鯛はポツポツ当たるものの、良型からのコンタクトは無く後半はあまり良いところ無く終了となってしまいました。

最近はタチウオテンヤで遊んでばかり?で鯛釣りをしていなかった事もありましたので、久しぶりの大鯛に選ばれて一安心できました。kaijin瀬戸内テンヤゲームの実力もまだまだ余力があると感じることができましたので、今後しばらくはこの2本をメインロッドにして大鯛特鯛を狙っていくことになりそうです。
今後は産卵期を迎えて厳しい状況も予想されますが、また急に大鯛祭りになることも十分ありますので、さらなる大物を釣るためには通い続けるしかないと痛感しました。撃沈の可能性もありますが、やはり釣りに行かない事には絶対大物には出会えません(笑)
【タックル】
ROD:alphatackle Kaijin瀬戸内テンヤゲーム S230H/S240H+
※ロッド解説
今季新発売の瀬戸内海でのリアクションテンヤ対応ヘビーロッド。瀬戸内海でのキャスティングをして探るリアクションテンヤ釣法は、ボトム着底からエビが跳ねるような強めのアクションを連続させつつフォールを繰り返す。それに合わせ、操作性をアップするためにベリー部を強くしているのが特徴。
今回、岡崎さんからは実釣レポートと別に以下のようなインプレッション報告をいただきました。
「S230H、S240H+のどちらも非常に軽くて細身ですから手感度も目感度もしっかり出ますし、バランスも良くて1日通して使っても腕や手首の疲れは殆ど感じませんでした。真鯛を掛けた後は、固い叩きの引きにも綺麗にいなして対応できましたし、良い感じにハリが強くて魚を浮かせる十分なバットパワーもありました。既に私の釣り仲間たちは興味深々なようでデュライズに引き続き、購入を決めたようです(笑)キャストして広範囲を探りながら、最近では横流しで重めのテンヤを使うことが多いスタイルにはピッタリかもしれません。特に飯岡や鹿島では時期は限られますが、活きエビを使用できますので、まさにリアクションテンヤロッドが最適な気がします」
”瀬戸内”とネーミングされていますが、岡崎さんのインプレッションにあるように「キャストして広範囲を探る」「横流しで重めのテンヤ」といった状況にはかなり良いモデルと言えます。今まで以上に積極的に攻めていきたい人にもいいと思いますよ。

REEL:tailwalk DURIZE 3000S XGX
ライン:tailwalk PowerEye WX8 0.8号+フロロ3号
テンヤ:遊動8~10号
レポート:フィールドスタッフ 柳沢テル
千葉県いすみ市の大原港と言えば、外房の船釣りを代表する港のひとつ。
代表的な釣り物をざっと挙げるだけでも、ヒラメ、ハタ、イサキ、シマアジ、フグ、ハナダイ、ルアーキャスティングなどなど非常に多彩。そして、大原での人気釣り物として忘れてはいけないのが「一つテンヤ」での真鯛釣り。今から15年以上前に専用ロッドが出て、あっという間に外房での人気釣り物になりました。
そんな大原港では、毎年「一つテンヤ真鯛釣大会」が開催されます。毎年、と言ってもコロナ禍の影響のため、最後に開催されたのが2019年で、今回は5年ぶりの開催となりました。今回、自分も大会に参加してきました。当日の釣りだけでなく、この大会の楽しさ・素晴らしさに重点を置いてレポートしたいと思います。













そして、ジャンケン大会や抽選会など、釣果に関わらずたくさんの賞品が用意されているのもこの大会の楽しみの一つ。かなり多くの人に、大はクーラーボックスから、地元いすみ市の美味しい特産品まで当たります。だから、全てが終わるまで参加者の皆さんは帰ることなく楽しんでいました。


さてさて、ちょっとは釣りとかタックルの解説をしておきましょう。
大原では、ここのところ釣れていた水深は20m程度の場所と、10m前後(時には5~6mも)のかなり浅い場所の2通りだったようです。20m程度なら、よほど潮が早くなければテンヤ6~8号、10mともなれば3号でも平気。そのいっぽうで、つる丸さんが最後に行った水深40mという場所もある。40mでは、潮が早くなければ8号でもいいものの、潮が速ければ12号以上を使う可能性もある。また、20mくらいでも潮が速いと10号でも底が取りにくい時があります。自分の場合、何があるか分からないのでテンヤは4号から15号まで用意していきます。中心になる8号と、6号/10号は多めにかつ各色を準備。いずれにしろ、一つテンヤでの基本「確実に底を取れる重さのテンヤを使う」ことは重要です。
アルファタックルの一つテンヤロッドの場合、MH表示で3~15号、Hなら4~20号となっています。ここで注意して欲しいのは、3~15号と書いてあってもMAX15号で潮が速いとシャッキリ操作することはできなくなってくるということです。一つテンヤをある程度やってくると何本かのロッドを使いたくなりますが、2本持つならMHを2本ではなくMHとHを1本ずつのほうが正解です。注意したほうがいいのは、メーカーが違うと同じMHでもパワーが同じではないこと(もちろんアクションその他の面でも変わりますが)。ちなみに、慣れれば強い竿を弱く(繊細に)使うことはできますが、弱い竿を強く使うことは基本的には(物理的には、と言いますか)できません。
ロッドについて、もう一つ。アルファタックルのテンヤロッドは、チタントップCTSを持つアルファソニックと、カーボンソリッドトップのKaijin、買いやすい価格帯のFTという3つのグレードがあります。しかし、グレードよりも、特に穂先の素材による特性の違いを気にしてください。チタントップは、感度は非常に高い。そして、とてもしなやかです。この「高感度」「しなやか」という点で多くのメリットがあり、特にボトムでテンヤをステイさせているときに出るアタリは手感度・目感度ともにとても良く、他の素材だと分からないアタリがはっきり出ます。しかし、穂先まである程度の張りがあり、潮が速い、もしくは水深が深いときに操作性がいいのはKaijinです。例えば、水深がさほど深くないときはアルファソニックのMH、深場・急潮・重いテンヤの場合にKaijinのHという2本を持っていると対応できる状況の幅が相当広くなります。この大会当日は、なおちんと自分ともにアルファソニックをメインで使いましたが、Kaijinも用意していました。それは、必要を感じたときに使い分けるためです。上に書いてあるのは考え方・使い分けの一例ですが、一つテンヤをもっと頑張ろう! という人は竿の特性を踏まえたうえで実際の攻め方を考えてみるともっと面白くなると思います。誘い方・シャクリ方も、竿の特性によって多少変えてみると良いです。具体的には、アルファソニックなら小さくシャクって止める時間を長くする、Kaijinなら大きめのシャクリで、240という長さも活かしてフォールも意識する、という感じですね。

いや~それにしても、とても楽しい大会でした。じゃんけん大会、表彰式、抽選会といった流れもとてもスムーズ。これだけ大きな大会だと、時々何かの準備をして間が空いてしまったりしがちですが、そういったこともなく、大原の船長さんや関係者の皆さんのチームワークの良さを感じました。
皆さんも、機会があればそんな楽しい大原の釣り大会に参加してみたらいかがでしょう。
一つテンヤの他にも、ヒラメ釣り大会もありますよ(今年3月に行われたヒラメ釣り大会は、なんと参加者600名超!)。
最後に、大原の船長の皆様、関係者の皆様、大変お世話になり、ありがとうございました。
またよろしくお願いいたします。
あ、この日の模様は、同じつる丸さんで同船取材をされていた隔週刊つり情報さんに掲載されます。ぜひそちらもご覧ください。