レポート:フィールドモニター 川添法臣

こんにちは、フィールドモニターの川添法臣(かわぞえ のりおみ)です。天気予報は雨、雨、雨……と、すっかり梅雨ど真ん中の日本列島。晴れた日の釣りは気持ちが良いものですが、東京湾のマアジにとって、この“そぼ降る雨”こそ「甘い雨」。イサキと並んで梅雨時に旬を迎える東京湾のLT(ライトタックル)アジをレポートします。

今回持ち込んだのはアルファソニック LG73 190M。尻尾の黄色い東京湾のブランドフィッシュ「金アジ」は25cm前後の“アジのタタキ・サイズ”がアベレージですが、人工的な建造物付近に居着く個体は40cmクラスの“ギガアジ”も居ます。そこで私はアベレージサイズに合わせた太さのハリスで大型の個体と対峙出来るよう、柔軟な調子を選ぶようにしています。魚とケンカをしない調子の竿をチョイスすることによって、みなさんが“何となく”付けているクッションゴムを付けずとも釣りが成立するので、ハリ掛かりに到らない魚の反応や、魚が上ずっている時の微細なアタリを取ることができるのも重要なメリット。この引き出しを持っているとアルファソニック LG 82 185MHとの使い分けで、多彩な攻略が可能となります。

──で、この日の釣り。竿入れから一荷で上がる好釣ムードでスタート。船は碇を降ろして1時間は楽しく釣れ続きました。これが曇天や雨模様なら一日中釣れ続けて竿頭は2束釣り(釣果200匹以上)なんてことも珍しくないのですが、この日は晴天。魚の食い気が落ち着いて「(魚群探知機に)反応はあるのに釣れない」という状況になりました。これがもし、晴れてもいないのにこの状態に陥った場合、そうなった原因はいくつか考えられますが、その一つに「コマセボケ」の可能性が挙げられます。

この「コマセボケ」と言う現象、船宿さんや釣師の意識が高まって今や死語になったと思っていたのですが、令和の現代になって“ナゼか”時折お見受けするようになりました。要はコマセの撒き過ぎによって、対象魚が口を使わなくなってしまう現象です。こうなってしまった場合、船長はどんなに大きな群れを捕捉していたとしても、その釣り場を捨てて別の場所へ移動しなければなりません。

この状況を未然に防ぐには、釣り人一人ひとりの心構えとして「コマセを撒き過ぎないように意識する」しかありません。ところが、プラビシを用いるイサキやマダイと違って、ビシアジやLTアジのシンプルなコマセカゴは、コマセ量を調整しにくいのも事実。そこで、ご存じの方もいらっしゃるとは思いますが、昭和の昔からアジ釣師がやって来た涙ぐましい努力をご紹介します。いつもお使いのビシカゴと、絶縁テープ(ビニールテープ)を用意します。

タナ取りや仕掛けを魚にアピールするために竿をシャクリ上げた際、また魚が掛かって暴れている時、この箇所から図らずも漏れ出てしまうのが“余分なコマセ”です。これによって魚が満腹になってしまったり、余剰のコマセが潮流で流された先に魚群が付いて行ってしまったりという悪循環の引き金となってしまいます。

問題の編み目に、まずは内側からテープを貼って目止めします。

内側一周に貼ったら、そのままテープを切らずに外周に貼ります。編み目でテープの接着面同士を貼り付けることによって、目止めを固定するイメージです。内側は余裕を持って下側を重点的に、外側は引っ張りながら貼り付けていくのがコツです。

たったこれだけで、不用意に撒かれるコマセを削減することが出来ます。私が子供の頃はお弁当のオニギリに巻かれたラップや菓子パンの袋を内張りして急場を凌いでいましたが、今は海洋プラスチックごみを出さないよう、ビニールテープを貼るようにしています。コマセを撒く時には、シャクった竿先を瞬時に戻すことでカゴの上側から出すイメージで。竿先を20cmくらい煽るだけで充分です。例えば入れ掛かりの時、テープの部分くらいまでコマセが残っていれば、魚を取り込んだ後にコマセを足さずに再投入して、手返しアップに繋げられます。また、白いテープを使うと船上からの視認性が良いことも何かと利点に。道具箱にビニールテープを入れておけば、船の上でもサッと加工出来るので、“ナゼか”の食い渋りに遭遇したら是非お試しください。

かくしてこの日の釣果は、竿頭75尾で船中上位3名が70尾を釣獲。この上位3名のうち2人が、食いの立つタイミングではコマセを絞って上ずる群れをクールダウンしながら釣果を伸ばしていたことを書き添えておきます。

ビギナーにはお手軽で、ベテランには奥の深い東京湾のLTアジ。水深20m前後の浅場で釣れ始め、連日束超えの釣果情報がネットや誌面を賑わせています。食味も釣り味もピークを迎える東京湾の金アジで、みんなで釣れるともっと楽しくなる乗合船の魅力をご満喫ください。

▼タックルデータ

竿:アルファタックル/アルファソニックLG 73 190M
リール:小型両軸リール
道糸:PE1.5号
コマセビシカゴ:LTミンチ用40号
テンビン:腕長25cm
船宿仕掛け:ハリス2号/ムツ10号3本針/全長2m
付けエサ:赤タン・アオイソメ

▼船宿:かめだや (東京都大田区羽田)

レポート:フィールドモニター 川添法臣

こんにちは、フィールドモニターの川添法臣(かわぞえ のりおみ)です。みなさんは今年のイサキ、もう召しあがりましたか? 唐突にこんなこと尋ねるのは、2023年のイサキが「例年より美味しい」とウワサだから。しかも、40cm超えのジャンボサイズを頭に押し並べて型がイイのも特筆。みなさんの釣行に+αのリークとなるよう、現地の模様をレポートします。千葉県・大原港「長福丸」から出船しました。

今回持ち込んだのは「アルファソニック LG73 190M」。このところこの竿のレポートばかり書いてますが、そのくらい万能な、様々な釣りにフィットするバランスの良い一振りです。剣崎や内房など、鋭いシャクリで仕掛けを踊らせないと魚が口を使わないタイミングがあるエリアでは「アルファソニック LG 82 185MH」の調子に頼りたくなる時もありますが、サーチする指示ダナの幅が3m前後と狭く、ジャンボサイズや思わぬ大物ゲストフィッシュも釣れる大原エリアでは「LG73」をチョイスしています。

──で、この日の釣り。竿入れから30cmクラスの良型が一荷、トリプルで釣れる絶好釣でしたが、やがて食いが落ち着き、アタリの遠退く時間も。この日は情報ページの取材だったので、ここでカメラを置いて釣り竿に持ち替えます。良型の3点掛けも見受けられたので、ハリス1.75号からスタート。指示ダナをシャクっていると時折アタリはあるのですがハリ掛かりしません。周りを見回すと、前日の強風の影響か大きなうねりと、食い渋りにみなさんお疲れの様子で置き竿になっている方も。ところが大ドモの釣れる人は釣れている。こんな時、みなさんはどうしていますか?

「釣れてる人は釣り座がイイのでは?」「釣れないのはコマセの撒きが足りないのでは?」「指示ダナが真棚とズレているのでは…?」──釣師はとかく“釣れない理由”を探しがちですが、私は操舵室に行ってハリス1.5号の船宿仕掛けを購入し、コマセカゴの上の窓を1/4より更に少し閉じてみました。こうすることによって、大オモテの釣り座でうねりに翻弄されながらも3m幅の指示ダナ内のサーチを3周してもプラビシにコマセが若干残り、海中に仕掛けがある状況、シャクリと喰わせの間の時間を少しでも稼ぐことに集中しました。すると──これがビンゴ。30cmクラスのイサキを頭に、メジナやゴマサバ混じりでテンポ良く釣れるようになりました。

お分かり頂けるかと思うのですが、「釣り座」「潮上・潮下」「コマセの撒き量」は釣果に影響していなかった、という事実です。大切なのは「コマセを多く撒く」ことではなくて「撒き方をコントロールする」ことではないでしょうか。コマセは魚を呼び寄せるために撒く“寄せエサ”では無く、効率よく釣鉤に口を使わせるための“起動条件(トリガー)”であることを、再確認する機会となりました。

かくして、ウワサの味覚はと言うとご覧の通り。しっとりと全身に回った脂質で大変美味! 刺身、炙り刺し、なめろう、塩焼きは勿論、カルパッチョやアクアパッツア、新タマネギとホイル焼きにしても美味しく楽しみました。天ぷらやフライにしても旨いとのことなので、目下、再チャレンジの日程を調整中です。みなさんも是非、当たり年の予感漂う大原沖のイサキをお試しください!

▼タックルデータ

竿:アルファタックル/アルファソニックLG 73 190M
リール:中型両軸リール
道糸:PE2号
コマセビシカゴ:FL60号
テンビン:腕長30cm
クッション:直径1.5mm×長さ30cm
船宿仕掛け:ハリス1.5号/ムツ9号3本針/全長3.5m
付けエサ:なし

▼船宿:千葉県いすみ市 大原港 長福丸

レポート:フィールドモニター 二上あや

東京湾のマゴチ釣りに行ってきました。
東京湾エビマゴチは初めての釣り物なので、事前の下調べからワクワクです。
当日の予報は、北寄りの暴風。なんとか出船しましたが、海はバチャバチャ、雨風は予報より強くなり、海のコンディションは良くないですが、マゴチの食い気はどうでしょうか?

千葉県側へ走る事30分。ポイントに着き、気がつくと大船団が周りに出来ていて、この釣りの人気ぶりを知りました。
エサの付け方を達人に教わり、サイマキの口の少し手前の窪みに刺し、エビの頭付近に針を抜く。サイマキが元気なほどチャンスか増えるので、このエサ付けがかなり重要との事。

さあ実釣です。水深20メートル前後まで落とします。

朝のチャンスタイムに、お隣の下地さんがSHIBUKI F221を曲げ、本命マゴチを早々に釣り上げました!!

私にもゴンコンとフグとは違うアタリを、アルファソニックLG73から感じて、待ってから合わせますが、竿に乗った直後にバレてしまいました。残念。合わせが弱かったのかなと反省。

私がまごつく間にも近くでマゴチが上がります。

その後もアルファソニックLG73 190MHがアタリを出しますが、上手くやり取りが出来ません…

下地さん、2尾め!

気分転換にSHIBUKI F221にチェンジ。

わちゃわちゃした波をSHIBUKI F221が吸収してくれ、すぐにアタリが出ましたが、待ち過ぎたのかアウト。本当に駆け引きと合わせのタイミングが難しいです。

上がりまてあと30分位しかない…

どうしても釣りたいと、エサもフレッシュなサイマキに付け替えて投入。

SHIBUKI F221の穂先がアタってます!!

これはラストチャンスかも知れないので、慎重にやり取りし、やっと魚を乗せる事が出来た!!
SHIBUKが大きなカープを描いて上がってきたのは、本命60センチのマゴチでした!!

とうとう釣りました!! 60センチのグッドサイズ!

アタリがあったら、竿先を下げ送り込む
引き込みなければゆっくり竿を上げ開く
それでも引き込まなければ、ゆっくり巻きながら竿先下げる。
この繰り返しの中で、勝負をかけて合わせるのが良いと、船長からアドバイスを頂きました。

ムズ面白いマゴチ、教わった事を次回の釣行に活かしたいです。

【釣行データー】

タックル
アルファソニックLG 73-190MHディーノFUNE
②MPG SHIBUKI(シブキ)F221バサルVT81R

釣り船:神奈川県横浜市 金沢八景 一之瀬丸
釣行日:2023年5月20日

レポート:フィールドスタッフ 白畑義基

フィールドスタッフの白畑です。
4/22の土曜、柴漁港・三喜丸から友人とライトアジに行ってきました。
この日は海が時化ていたため、他の釣りものは出船できないこともあり、ライトアジは2隻とも満員になるほど人気。

7時過ぎに出船。
15分ほどで八景沖のポイントへ到着。
船宿から借りた40号のビシにコマセを詰め、投入。

ロッドはアルファソニックLG 73-190MH。チタントップの高感度は、ライトアジでももちろん効果を発揮する。

「タナは底から2~3mです」と、船長。
水深は20mほど、底から2m巻き上げてコマセを振るとすぐアタリだし、アルファソニックLG73-190MHが絞り込まれる。小型のアタリも見逃さず、しっかりアタリを伝えてくれる。

ライトアジはオマツリすることも多いため、道糸はPE2号程度をお勧めします。1号以下では高切れのリスクがあります。エサは赤タンと船宿、船上で購入できるアオイソメがありますが、この日は圧倒的にアオイソメが有効です。ハリに少し残っていれば食ってきます。

食いが立つとダブル・トリプルも。

食いが立つとダブル、トリプルも何度かありますが(アタリがあったら、追い食いを狙って数十㎝だけゆっくり巻き上げるか、送り込むかします)、波が高くバラシも多いため、テンションを変えずに巻き上げ、海面で時間を掛けず、そっと抜き上げましょう。

オマツリしたときは魚を最初に取り込みます(三喜丸さんは上乗りさんも乗っているので安心)。
時合いは1時間以上続き、友人も満足。

その後も小移動を繰り返すたびにアタリが続き、アタリが遠いときは底から3mでアタる感じですが、高活性時はコマセを振ってから5秒以内に食ってきます。
しばらく待っても食わなければ、再び底まで落としてから2m巻き上げ、コマセを振ります。
底近くではイシモチも混じり、13時の納竿までコンスタントにアタってくれました。

東京湾の中でも、金沢八景出船で釣るアジは体高があってとっても美味しい!

当日の釣果は55尾。

なお、ライトアジは浅場の魚を狙うため、ハリスは1.5号以下をお勧めします。船長に聞いても「食い渋った時は1.5号がいい」とのことです。
魚体はやや小ぶりですが、脂の乗った新鮮な黄アジを食べられるのは釣り人ならでは。
皆さんも是非、ライトアジを楽しんでください。

【タックルデータ】

竿:アルファソニックLG 73-190MH
リール:エランSW LIGHT 73L
道糸:パワーアイPE 2号
ビシ:40号
ハリス:フロロ1.5号
ハリ:ムツバリ10号
エサ:アオイソメ

釣り船:柴漁港 三喜丸(神奈川県横浜市)