9) ライトタックルとは・・・1
 

前回、相反する「釣る楽しさ」「食」「資源保護」を成り立たせるのは各自のモラル、と申し上げました。
では、具体的には何をすれば良いのでしょうか。
「食べる分を確保した時点で釣りを止める」のが一番簡単ですが、釣船でこれを実行するのは中々難しいでしょう。例えば「2kgのマダイが1枚釣れたら止めよう」と決めたとします。朝の第一投でロッドがギュギューン!2.5sのマダイをキャッチし、目標達成。こうなると残りの5時間50分、見物人に回るのは、相当難しいはずです。

釣りを続ける方法として以降を「キャッチ&リリース」する、があります。又、一人一人に生簀があれば、最初の魚をとりあえずキープし、より良い魚が釣れたらリリース、という方法も考えられるでしょう。
しかし、食べられない魚やダメージの無い小型魚ならともかく、2sのタイを海に放したら船長から怒鳴り付けられるか、同乗者に白い目で見られるのが関の山ですし、釣りによっては殆どの魚がリリースできないケースもあります。

「仙人」の境地に到達する事が現実的に困難であるなら、「釣った魚は全て責任を持って調理し、残さずに食べる」もひとつの回答です。しかし、どんなに鮮度が良い高級魚でも過ぎたるは及ばざるが如し。手を変え、品を変え、手間をかけて保存食に加工しても家庭で食べる量には限度があります。最初の内は有り難がられても、日を重ねる毎に箸は重くなり、結局は粗末に扱ってしまうケースが多いのでは無いでしょうか。

最近、ひとつの方法として注目しているのが「ライトタックルの釣り」です。
現在東京湾・相模湾でコマセ釣りを中心に流行の兆しが見えます。従来よりも細い道糸を使う事でコマセカゴを小さく、それに併せてロッドやリールもライトに。
具体例を上げると、1.8〜2m・10〜20号クラスの軽量船竿に5000番クラスの両軸リール、道糸はPE1.5〜2号。専用の「ライトビシ」30〜40号を使用します。
仕掛はターゲットによって異なりますが、基本的にハリスは特に細くはしません。

コマセの量が少なく環境にも優しい。同じ大きさの魚をよりスリリングに、釣趣満点に釣る事が出来る。一尾とのやり取りに時間を要し、鈎数も余計には付けられないので自ずと数釣りは規制される・・・といった特徴があります。
今まで15本サビキで(時に二組連結して)数を競った小アジも、ライトタックルなら充分に釣趣を楽しむターゲットたり得るのです。
ウイリーシャクリではイサキやアジに混じってマダイやイシダイなどの「大物」も鈎掛りしてきます。キス竿レベルのロッドに2sオーバーのマダイが掛ったら、楽しさを通り越し、スリル満点のファイトとなる事は想像に難くありません。

専用ロッドも各社から発売され、仕掛メーカーでも専用のビシ・天秤・クッション・仕掛などを開発しています。ただ、肝心の受け入れ側が現状関東の一部船宿以外は仕立船に限られてしまうネックがあります。
今後「ライトタックルの釣り」が広く認知され、乗合船対応して頂ける船宿さんが増える事を期待しています。

次回はコマセ釣り以外の「ライトタックル」を提案したいと思います。

 
(次号に続く)
 
この話に対する皆様の御意見を頂戴したいと思います。御意見を頂戴した後、機会を見て船釣りの将来にプラスになるような新しい企画・記事にしたいと思います。